縁
19歳の太郎の誕生日、gotoや補助金利用で宿泊や希望するちょっとお高い焼肉屋など検討したものの、コロナ禍に結局来年通り、自宅で家族と一緒に祝う変化のないものになった。年齢も区切りのいいハタチとかではなかったけれど、かーちゃんにとって太郎の成長を喜ぶ特別な時間となった。
来年度、大学を休学し放浪の自由時間を過ごす事を決めている太郎は来年の誕生日にはどこにいるかわからない、一緒に祝うのは最後かも?と、近所に住む ばぁばは町で1番美味しいケーキ屋さんで1番大きな誕生日ケーキを注文し持ってきたが笑える大きさだった。試験中の次郎は寮から帰ってこれない。じぃじとばぁば含めた家族6人の食事なのに20人前のケーキを平気で頼むばぁばのセンスは、迷ったら全て買う かーちゃんに受け継がれていて、もれなく花子もその素質を学校で発揮してるらしい。
夜の誕生日祝いのちょっと前のスキマ時間に自分のFacebookを確認していた かーちゃんは前日の太郎の投稿に気がついた。常に会話をしてるので太郎の今の人脈の中心は かーちゃんから広がっている太郎の部屋のホワイトボードを見ていたから知っていたが、また別に文書で書かれているとうれしいものだなぁと思った。
その太郎は今、人脈が広がっていくことにワクワクしているようだ。かーちゃんからの人脈は2つ。1つ目はNTT系列で高校2年から1年半インターンをしていたIT会社。2つ目はかーちゃんが活動していた地域の自治会のボランティアから知り合いになったママ友の人脈で、つながった方からの紹介で太郎が講演会で登壇したり、そこで知り合ったベンチャー模索中の方のelamp事業にjoinしていたりと数珠繋ぎで人生が広がっていっている。joinしたベンチャーの事務所は富士山が見える渋谷QWSで春休みに入った太郎は事務所を散々使いこなしている。
太郎がまだ10代で人脈を広げていけるのは3つ理由があると かーちゃんは分析している。
一つ目は今は稼ぎに走らず欲を出さず、経験と人脈を広げる事に軸足を置き、最低賃金くらいで今まで取得してないスキルを磨きながら仕事をしているスタンス。
2つ目は世界のニュース、歴史、経済、技術、などに詳しいことだ。特に新しいことを生み出す場合、そのものの価値や可能性の理解が"話がわかる奴"と認識され、知り合いとしてのカードにしてもらえ人脈に繋がっていく。
3つ目はフリーで働くのに1番大切な"自分を売り込む営業"ができることだ。仕事は技術や知識があっても黙って座っていては舞い込んでくるものではない。アプリ開発ができるエンジニアて、複数のインターンの経験があり、仕事でプログラミングの教材の英語への翻訳もしているなど売り込む経験をしてタイミングよく営業ができている。
なので太郎にとっていい縁のある一年でありますようにと かーちゃんは祈っているぞ!