学び直し リスキリング
都内のシェア暮らしを仕事が一段落ついて正味半年で実家に戻ってきた太郎、出ていったときは通学リュック1つで帰って来た時は段ボール一箱、シェアハウス退却確認も含め20分で引越し完了というから何とも身軽な一人暮らしはミニマリストの利点だろう。帰って来てからの生活は都内に行って2日間帰って来なかったり、家でオンラインでミーティングしたり相変わらず何をしてるか かーちゃんには分からない。これからどぉするの?復学?休学?退学?と聞くとDMMが運営している無料の仏初エンジニア育成機関の"42TOKYO"に興味あると言ってきた時点で、結論ははっきり出していなかったが「はい、もう1年休学ですね?」とかーちゃんは思っていた。そんな矢先、お客様とショールームで打ち合わせ中のかーちゃんの家族LINEに
「 SFC合格」の画像が送られてきた。
真意を確かめるにはそれから12時間が要した夜中の2時、太郎の帰宅を待ちきれず一度寝ていたかーちゃんが夜中のトイレに起きた時、部屋で気配を感じドアを開けたところ照明がピカピカのままお風呂上がりでベッドで寝る予定もないようなニコニコの太郎が横たわっていた。
「はい、合格の画像と、一緒に送られてきた学費の画像、振り込めばイイんですね?」と一目で分かったものの質問をせざるを得ない。
何で受けたの?いつ決めたの?いつ受験だったの?
とーちゃんの仕事で海外から帰国して準備なく2ヶ月で無謀に中学受験をし、高3でAOと一般受験を2学科2回ずつ、計5回お布施を積み重ねてきた学校。
最近知り合いになる人から「慶應っぽいよね」と言われるのがプレッシャーだったらしい。前回の一般受験科目は情報を選んでいたが今回は英語に変えて、ケジメをつける意味で受験したと言うのだ。
あー確かに、いつもなら10時くらいに出勤してる太郎が珍しく朝8時ごろ出て行った日か先週あった。あの時が受験だったのね?
受験準備は過去問1回のみ取り組み、英語は65%が足切りらしいが8割近くは取れるから論文は半分とれれば大丈夫かなぁと。太郎に受験問題を見せてもらいながら受験の総論を論じてもらった。論文の問題は総合政策は「知」についてで高校のIBの1年の初めにやっていた考えだったので、最近のニュースを混ぜて解答。それと比べて環境情報の論文は難しくなって関係のなさそうな論文をいくつか読んで関連させて解答するものだったらしい。
スタートアップの仕事にも疲れてたので関わる仕事は減らし、少し学生を楽しみたいらしい太郎、履修科目を見ながら何を履修しようか、サークルは何に入ろうかとワクワクしてる様子。一度世の中に出てしまったがきちんと楽しい学生生活、人生ハタチにして早くも大学での「学び直し」に軌道を戻しどっぷりハマって楽しんでもらいたいなぁと思うかーちゃんの春。
余談だが、学費の入金は間違いがあると責任が取れないので太郎の口座に振り込み、手続きは全て本人任せ。すでに学部の教授も先輩も知り合いが多いのだが、合格が決まって3日目には早速春休みの大学に4年の先輩の案内つきで登校し、「車通学に決めた、駐車場かりようっと」着々とリスタートを進める太郎の春です。