仁義
受験もいいもんだ。追い込みの中から成長もある、と言ってもギリギリ合格を狙えるところまできたのに、一気に半年以上も前の偏差値へ急降下。どこが成長したんかいな?と思うだろうが、かーちゃんの見ているところは人間の成長だ。
偏差値の急降下にさすがに焦った次郎は学校を休んで受験勉強をしたいと言い出した。太郎の時もそうだったので太郎の時同様「きちんと先生に仁義を通して休む説明をしてきなさい。かーちゃんは先生にウソをついて毎朝お休みの電話を学校にするのはできない。」と言うと次の日、次郎は担任と1時間半話しをしてきた。もちろんOKを出すはずがない。それが先生の立場だ。純粋な次郎はうまく説得できず思う様に話しが出来なかったことでかなり精神的にやられて帰ってきたが、話の最後には笑いながら先生が「随分と焦っているんだね。休んだら家までいくぞ!」と言っていたらしいがそれでいい。かーちゃんの評価ポイントは“何よりシビアな内容を大人に伝えながら相手を笑わすその空気を作れるのは次郎の天性で誰もが真似できない特技”という事で評価する。
またもう一つ大切な事にも気がついたようだ。「学校に行っていると考える事をしない。」by 次郎
学ぶべき学校では、ただ先生の指導内容に添った授業でそれは大部分で受け身、自発的に妄想を広げ考えを深掘りする時間はない。効率よく生徒を教えるためには仕方ないが、その環境に居たくないと思ってしまった様だ。
何はともあれ後1週間で高校受験、学校に行かないと決めたのはいいが9時過ぎまで寝てたら意味がない。最近出なくなっていた吃音もストレスから酷くなってきた。さあ、さあ、次郎どうやってこれを乗り越える!?