次郎の職場はガレージである。パパが片付けるのが苦手なので、まずは掃除をして使える環境を整えた。受験が終わってからスピーカーを作りたいと言ってアマゾンのカート🛒にいろんな工具や部品を入れてきて「ポチッとしといて」と頼んでくる。
ここで少し説明しよう。かーちゃんは子どもたちが保育園の頃から「材料はいくらでも買ってあげる。人が作った物は買わない。自分で作った物なら壊れても自分で直せる。人が作った物には遊び方が決まっていてそれ以上の発想を生まない。」と言って育ててきた。だからスピーカーを作りたいならその材料はかーちゃんは買わなければいけない。保育園の頃にはそんな日が来るとは思ってなかった。せいぜい折り紙、のり、ダンボールやモーターくらいだと思っていたのに、習慣の積み重ねは怖く徐々にかーちゃんの財布を苦しめる。でも約束だから仕方ない、カートに入っている物を次郎に確認をしながらポチッとする。
心配は尽きない。次郎はいままでも形にした事がないのだから…同時並行で豚の骨を買ってきて豚骨スープを作りに格闘している…多分スピーカーではなく、こちらの完成の確率の方が高いだろう。